「短い経歴や早期離職をどうアピールしたらいいかわからない」
「アピールできる強みがない」
こんな悩みを抱える第二新卒の方も多いのではないでしょうか。書類作成は面倒に感じがちですが、企業選考には欠かせない要素です。
採用担当者が第二新卒に求めているポイントを理解し、適切な構成で自己PRを作成すれば、短い経歴でも十分魅力的にアピールできます。
この記事では、キャリアアドバイザー監修のもと、企業の期待を踏まえた自己PRの書き方から、状況別に合わせた11の例文、効率的に作成できるテンプレートやツールまで詳しく解説します。
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自己PR作成前に!企業が第二新卒に期待する3つのこと
第二新卒の自己PRを作成する前に、まずは企業が第二新卒に何を期待しているのかを把握しておきましょう。企業の期待を把握することで、より効果的な自己PRが作成できます。
企業が第二新卒に期待する要素は、主に次の3つです。
- 将来性・ポテンシャル
- 社会人としての基礎スキル
- 仕事への意欲
詳しく見ていきましょう。
将来性・ポテンシャル
企業が第二新卒に期待するのは、将来的な成長の可能性です。第二新卒は、社会人経験がありながら柔軟性も高く、企業は3年後、5年後の活躍を見込んでいます。自己PRには現在のスキルだけでなく、学習意欲や吸収力、将来のキャリアビジョンを盛り込むと効果的です。
「前職の経験を通じてマーケティングに興味を持ち、データ分析を独学で学んでいます」など、成長への積極的な姿勢を示しましょう。
社会人としての基礎スキル
第二新卒の強みは、既に社会人としての基礎スキルを身につけている点です。ビジネスマナーや基礎的なPCスキル、報連相の習慣、時間管理などの基本スキルがあるため、企業は研修コストを削減できます。
具体的には、メール・電話対応、締切管理、チームワーク、組織への適応力などが挙げられます。自己PRでは、これらのスキルを前職でどう身につけ活用したかを盛り込むと、安心して任せられる人材であると示せるでしょう。
仕事への意欲
第二新卒に企業が特に重視するのが、仕事への意欲です。転職を経験したからこそ、長期的に働く意欲や新環境でのチャレンジ精神が期待されています。転職理由がネガティブな印象にならないように、今後挑戦したいことを前向きに伝える必要があります。
自己PRでは「なぜその企業を選んだのか」「どんな貢献をしたいか」を、具体的な行動や経験を通じて表現しましょう。
関連記事:【体験談】第二新卒×未経験でITエンジニアへの転職を成功させる全手順
自己PRのネタ(強み)を見つける方法3選
第二新卒の自己PR作成で悩みやすいのは、アピールできる強みが見つからないことでしょう。短い社会人経験からでも効果的に自分の強みを発見する方法には、次の方法が挙げられます。
- 短い社会人経験から実績やスキルを棚卸しする
- 周囲の人に自分の長所を聞いてみる(他己分析)
- 強みが見つかる自己分析ツールを活用する
それぞれ見ていきましょう。
強み発見法1.短い社会人経験から実績やスキルを棚卸しする
まず業務内容を整理し、担当した業務、身につけたスキル、工夫した点、成果を洗い出しましょう。数字で表せる成果がなくても「顧客からの問い合わせ対応で感謝された」「新人研修で学んだことを後輩に教えた」など、小さな経験も立派な強みの根拠になります。失敗や苦戦した業務も洗い出しておくと、反対に強みを発見する手がかりになるかもしれません。
■具体例
担当業務 | 身につけたスキル、工夫した点、成果 |
---|---|
電話対応 | 1日約20件対応し、引き継ぎミスゼロを達成した |
書類作成 | Excelの関数を覚え、作業時間を半分に短縮した |
強み発見法2.周囲の人に自分の長所を聞いてみる(他己分析)
自分では気づかない強みを発見するには、他己分析が有効です。家族、友人、前職の同僚や上司など身近な人に、自分の長所や頼りにしている部分について聞いてみましょう。複数の人から同じような評価があれば、それが自分の強みといえます。
特に社会人経験が浅い場合は、第三者の評価を参考にすると自己分析の偏りを防げるでしょう。
■具体例
周囲の人からの評価 | 考えられる自分の強み |
---|---|
「根気強い」 | 最後までやりきる力 |
「聞き上手」 | 傾聴力 |
強み発見法3.強みが見つかる自己分析ツールを活用する
強みを客観的に整理したいときは、自己分析ツールの活用も効果的です。代表例としては、34の資質から上位5つを特定する「ストレングスファインダー」や、性格タイプを16に分類する「16Personalities(16タイプ診断)」などがあり、客観的な視点から自分の特性を把握できます。
診断結果をそのまま使うのではなく、結果を参考にしながら具体的なエピソードと組み合わせることがポイントです。
■具体例
ツールの分析結果 | アピールの仕方 |
---|---|
ストレングスファインダーで「学習欲」が上位 | 「新しい業務を1か月で習得した経験」と結びつける |
16Personalitiesで「ISFJ(擁護者タイプ)」 | 「チーム内で意見が対立した際、各メンバーの立場を理解し、全員が納得できる解決策を提案することで、プロジェクトを成功した経験」と結びつける |
採用担当者に伝わる!自己PRの基本的な構成
効果的な自己PRを作成するためには、伝え方も重要です。結論から伝える「PREP法」を活用しましょう。結論(Point)から始め、理由(Reason)、具体例(Example)、再び結論(Point)の順でまとめると、採用担当者に短時間で分かりやすく強みを伝えられます。
【P】Point:結論(私の強みは〇〇です)
【R】Reason:理由(なぜなら~という経験があるからです)
【E】Example:具体例(例えば~という状況で、このように行動しました)
【P】Point:結論(この強みを活かし、貴社で貢献したいです)
【状況・強み・職種別】第二新卒の自己PR 例文11選

第二新卒の自己PRは「どんな状況にあるか」「どの強みをアピールしたいか」「志望職種は何か」によって伝え方が変わります。ここでは、状況別・強み別・職種別に分けて、それぞれ例文を紹介します。状況に近いものを参考にしながら、アレンジしてみてください。
状況別の自己PR例文
■職歴1年未満の場合
「私の強みは基礎を着実に身につける力です。 入社後は電話応対や受発注管理を担当し、正確さとスピードを意識して業務を行いました。短期間ながら社会人としての基本を習得し、上司からも安心して任せられると言われました。今後はこの基礎力を土台に専門性を高め、御社の業務に貢献していきたいと考えています。」
■未経験の職種に挑戦する場合
「私の強みは新しい環境への適応力です。 前職では営業職として新規開拓を担当し、知識ゼロの状態から成果を上げました。具体的には、商材理解を深めるために自主的に学習し、入社半年で初契約を獲得しました。御社でも積極的に知識を吸収し、未経験分野でも早期に戦力となれるよう努力します。」
■アピールできる実績がない場合
「私の強みは小さな改善を積み重ねることです。 大きな実績はまだありませんが、日々の業務で課題を見つけて改善を重ねてきました。例えば、報告書フォーマットを工夫し、部署全体で活用されるようになりました。この改善力を活かし、御社の業務効率化に貢献したいと考えています。」
アピールしたい強み別の自己PR例文
■「主体性」をアピールする例文
「私の強みは主体的に行動できる力です。 前職では課題を見つけて自ら提案・実行し、業務改善に取り組みました。具体的には、マニュアルを整備して後輩が効率的に学べる仕組みをつくりました。御社でも主体性を持って課題解決に取り組み、組織の成長に貢献します。」
■「協調性」をアピールする例文
「私の強みは協調性です。 前職では先輩社員と連携し、納期の厳しい案件を無事に完了させました。相手の立場を尊重しながら協力する姿勢を大切にした結果、チーム全体で成果を出すことができました。御社でもチームワークを大切にしながら目標達成に貢献したいです。」
■「学習意欲」をアピールする例文
「私の強みは学習意欲の高さです。 前職では未経験の業務に取り組み、マニュアルを活用して1か月で習得しました。新しい知識を吸収する姿勢を評価され、早期に業務を任せてもらえるようになりました。御社でも積極的に学び、早期に戦力として貢献したいと考えています。」
■「課題解決能力」をアピールする例文
「私の強みは課題解決能力です。 前職では顧客対応で繰り返し発生していたトラブルに対し、原因を分析して手順書を作成しました。その結果、同様の問い合わせが減少しました。この解決力を活かし、御社の業務改善に取り組みたいと考えています。」
職種別の自己PR例文
■営業職向けの自己PR例文
「私の強みはコミュニケーション能力です。前職の小売業では、お客様一人ひとりのニーズを丁寧にヒアリングすることを心がけていました。商品説明だけでなく、使用シーンや予算を確認し、最適な提案を行った結果、リピート率30%を達成しました。困った様子のお客様には積極的に声をかけ、満足度向上に努めました。この顧客第一の姿勢とコミュニケーション力を活かし、御社の売上拡大と顧客満足度向上に貢献したいです。」
■事務職向けの自己PR例文
「私の強みは正確さです。 前職では請求書処理業務を担当し、月300件の処理を100%の精度で完了させていました。ダブルチェック体制を徹底し、ミスゼロを継続する中で、作業手順の見直しにより処理時間を20%短縮を達成しました。細かい作業でも集中力を維持し、品質と効率の両立を図ることができます。この正確性と改善意識を活かし、御社の事務業務で信頼される存在として貢献したいと考えています。」
■販売・サービス職向けの自己PR例文
「私の強みはホスピタリティ精神です。前職の飲食店では、お客様に心地よく過ごしていただくため、細やかな気配りを大切にしていました。常連のお客様の好みを覚えて最適な席をご案内したり、季節のおすすめメニューを積極的に紹介したりした結果、お客様アンケートで「接客が良い」との評価を多数いただきました。このホスピタリティを活かし、御社のサービス向上と顧客満足度向上に貢献して、リピート客の獲得に努めたいです。」
■エンジニア職向けの自己PR例文
「私の強みは論理的思考力です。前職では非IT業界でしたが、業務効率化に興味を持ち、独学でPythonを学習してデータ処理ツールを作成しました。月次レポート作成を自動化し、5時間の作業を30分に短縮できました。プログラミング学習では、エラーの原因を論理的に分析し解決する過程にやりがいを感じています。この論理的思考力と学習意欲を活かし、貴社のシステム開発で技術力を向上させながら品質の高いサービス提供に貢献したいです。」
第二新卒の悩みを解消!短い職歴・離職理由のポジティブな伝え方
第二新卒が転職活動で直面する大きな課題が、職歴の短さと離職理由の説明です。しかし、一見ネガティブに見える要素も、伝え方次第ではポジティブな印象に変えられます。
ここでは、採用担当者に好印象を与える短い職歴・離職理由の伝え方を解説します。
「職歴が短い」を強みに変える伝え方
<ポジティブな伝え方>
- 短期間で自分の適性を見極め、より良い環境を求める決断力がある
- 現状に満足せず、より高いレベルを目指す向上心がある
職歴の短さは一見デメリットに思えますが、第二新卒ならではの強みとして伝えられます。ポジティブな解釈で、行動力をアピールしましょう。
成長への意欲を強調するのも効果的です。現状に満足せず、より高いレベルを目指す向上心をアピールできます。さらに、短期間でも学びを吸収した点をアピールするのもよいでしょう。例えば「社会人としての基本を身につけた」「新しい業務を短期間で習得できた」など、吸収力や成長意欲の高さを強調できます。
離職理由の前向きな伝え方
<ポジティブな伝え方>
- 前職で働く中で、より〇〇に特化した環境で成長したいと考えるようになった
- 現在のスキルレベルでは限界を感じ、より専門性の高い業務に挑戦したい
離職理由を伝える際は、過去や他者に対する批判ではなく、未来への期待を中心に構成します。まず、キャリアビジョンの明確化を軸として伝えましょう。
将来への明確なビジョンを示したうえで、スキルアップへの意欲を表現します。最後に「企業との価値観の一致」を重視していることを伝え「御社の理念に共感し、自分の価値観と一致する環境で長期的に貢献したい」と、前向きな動機を示しましょう。
職務経歴書・自己PR作成がラクになるテンプレ・ツール・サービス
職務経歴書や自己PRの作成をより効率的に進られるテンプレートやツール、サービスを紹介します。ツールを活用すれば、移動中でもスマホで作成できるので、負担を軽減しながらも質の高い自己PRに仕上げられます。
職務経歴書・自己PR作成を楽にするツール
転職エージェントなどが提供する履歴書・職務経歴書作成サービスの活用すれば、フォーマットに沿って情報を入力するだけで、見栄えの良い職務経歴書が作成できます。ツールで作成したあとは必ず内容を見直し、企業ごとにカスタマイズしましょう。
■ 職務経歴書作成ツール
- リクルートエージェント「レジュメnavi」
(リクルートエージェントの転職支援サービスに登録するとご利用になれます) - dodaエージェント「レジュメビルダー」
- ヤギッシュ「履歴書・職務経歴書」
- リクナビ「OpenES」
※こちらでご紹介しているサービスは弊社サービスではございません。
自己分析・強み発見ツール
強み発見に役立つツールを紹介します。
強み発見ツール | 特徴 |
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ストレングスファインダー | ・世界的に有名な強み診断で34の資質から自分の上位資質を特定できる ・公式書籍(「さあ、才能に目覚めよう」など)に付属するアクセスコードを利用する ・公式サイトで直接アクセスコードを購入しても利用できる ・有料だが精度が高い |
16Personalities | ・MBTIを参考にした無料オンライン診断 ・16タイプに分類し、性格・行動傾向・職業適性などを把握できる ・無料で気軽に試せるので、自己分析のきっかけにしやすい |
VIA-IS | ・アメリカの心理学研究所が提供する強み診断 ・「勇気」「誠実」「創造性」など24の強みを順位付けして可視化できる ・日本語でも受検できる |
エニアグラム診断 | ・人の性格を9つのタイプに分類する ・診断無料版も多数あり、思考や価値観の傾向を知れる ・「人との関わり方」や「モチベーション源泉」を把握できる |
ストレングスファインダーは、34の資質の中から上位5つを特定し、具体的な強みを発見できるツールです。16Personalities(16タイプ診断)では、性格タイプを詳細に分析し、職業適性や行動傾向を把握できます。
診断結果をそのまま自己PRに使用するのではなく、自分の経験と照らし合わせて具体的なエピソードと組み合わせると効果的にアピールできます。
※こちらでご紹介しているサービスは弊社サービスではございません。
自己PR作成支援サービス
人材紹介・派遣サービス「はたかな」では、一人ひとりに合わせた職務経歴書・自己PRの作成サポートをしています。プロの視点からのアドバイスにより、一人では気づけない強みの発見や、企業が求める人物像に合わせた効果的なアピール方法を一緒に考えます。
希望する働き方をかなえられるよう、書類作成から面接対策まで一貫したサポートが可能です。
▼ 自己PR作成でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

第二新卒の自己PRに関するよくある質問
ここでは、自己PR作成に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。同じような悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。
Q. 前職を3か月で退職した場合、自己PRにどう書けば良い?
短い期間であっても、ビジネスマナーや基本的なPCスキル、業務の進め方など、学生時代にはなかった学びを具体的にアピールしましょう。期間の短さを悲観するのではなく「短期間で多くを吸収できる学習能力の高さ」を伝え、そのうえで「その経験を活かし、今後は長期的に成長していきたい」と加えれば、ポジティブな印象を与えられます。
■回答例
「3か月という短い期間でしたが、ビジネスメールの書き方、電話応対、Excelでのデータ管理など、学生時代では身につけられない実践的なスキルを習得しました。特に顧客対応では、相手の立場に立って考える重要性を学びました。この経験を活かして御社でも顧客満足度向上に貢献したいと考えています。」
Q.「学ぶ姿勢」を自己PRにするとき、どんな表現が効果的?
具体的なエピソードを添えると効果的です。「前職では未経験だった業務を、マニュアルを読み込むことで1か月で習得しました」など、主体的に学んで成果を出した経験を伝えましょう。さらに「学んだ知識を活かして御社の〇〇業務に貢献したいです」と、貢献意欲につなげると説得力が増します。
Q. 学生時代の経験を自己PRに使っても大丈夫?
短い期間でも、社会人経験の中からアピールポイントを探すことを優先しましょう。そのうえで、強みを裏付けるエピソードとして学生時代の経験を使うのは効果的です。
ただし学生時代の経験を使う場合は、その経験から学んだことを社会人としてどう活かしているか、主張しましょう。メインは社会人経験、サブとして学生時代の経験といった構成にすると、第二新卒としての成長をアピールできます。
■具体例
「私の強みは継続力です。前職では毎日の業務日報を欠かさず記録し、6か月間継続しました。この継続力は学生時代の部活動で培われたものです。3年間毎日の練習を継続しながら、チームの県大会出場に貢献しました。これらの経験を活かし、御社でも地道な努力を重ねて成果を出したいと考えています。」
第二新卒の強みを活かし次のキャリアへ進もう
第二新卒の自己PR作成する際は、まず企業が期待するポイントを理解するところから始まります。短い社会人経験からでも、業務の棚卸し・他己分析・自己分析ツールの活用によって必ず強みを発見できます。
効果的な自己PRはPREP法で構成し、状況や職種に応じた例文を参考にしながら、自分だけのPRを作成しましょう。職歴の短さや離職理由も伝え方次第ではポジティブに伝えられます。作成が進まない場合には、テンプレートや転職エージェントの活用もおすすめです。