近年、地震や台風・豪雨による水害など、様々な自然災害が日本各地で起きています。
ところが、新型コロナウイルス感染拡大によって、不特定多数の人が集まる避難所に行くのは心配という人が増えているようです。とはいえ、避難すべきタイミングを逃したくない…と、家族を守りたいママとしては悩むところですよね。
そこで、避難所を利用しない「在宅避難」のための準備や、避難所を利用する場合の注意点などをまとめてみました。
防災対策が気になるけどどんな準備をしたらいいかわからない人や、防災に加えてどんな新型コロナウイルス対策が必要なのか知りたいという人は、ぜひチェックしてみてください。
どんな時に在宅避難を選べばいいの?
地震や水害などの被害に遭った場合でも、コロナ禍の今は避難所に行くかどうかの判断が難しいかもしれません。特に小さい子どもやペット、高齢者がいる場合は悩みますよね。
在宅避難を選ぶ判断基準の例としては、次のようなものがあります。
□ 自治体などからの避難指示が特にない
□ 自宅の家屋に被害がなく、倒壊のおそれもない
□ 隣家の倒壊など、近隣の被害の影響がない
□ 火災や津波、液状化などの二次災害の心配がない
□ 他人のサポートがなくても、しばらく暮らしていける
ただし、少しでも不安に感じることがあり、危険と判断した場合は迷わず避難所へ避難しましょう。子どもが怖がったことなどが避難のきっかけになったという過去の事例もありますので、参考にしてみてください。
在宅避難のために準備しておくことは?
在宅避難で大事なのは「他人のサポートがなくても、しばらく暮らしていける」ことです。具体的には、電気やガス、水道が止まった状態でも3日間は過ごせる必要があります。そのために、日頃から自宅で防災対策をしておきましょう。
1 日常生活の延長で安全を確保
防災対策と言っても、日常的に意識すればそれほど難しいことではありません。家の中を確認しながら、次の項目をチェックしてみましょう。
□ 廊下やドアの前にある物を片づける
□ 高い場所にある割れ物を移動する
□ 掃除のついでに、食器の下に滑り止めシートをしく
□ 包丁などの危険な調理器具は使ったらすぐに片づける
□ 背の高い家具は固定する
□ 窓ガラスや棚のガラス扉にガラス飛散防止シートを貼る
□ 懐中電灯にもなるランタンを各部屋に用意して、時々電池をチェックする
□ 新しくインテリア雑貨を買う時は、なるべく割れないものや軽いものを選ぶ
2 備蓄品で避難生活を快適に
備蓄品に必要な物や量は家族構成や人数によって異なります。家族の好みなどにも合わせて、揃えていきましょう。
飲料水・食料品
水と食料は最低でも3日分は必要と言われます。また、2週間分のストックがあれば、新型コロナウイルスに感染して自宅療養となった場合でも役に立ちます。
備蓄専用の食料品は長期保存ができますが、食べ慣れないものだと子どもは食べたがらないことがあります。普段から食べているレトルト食品やインスタント食品を少し多めに買っておき、使った分を買い足す「ローリングストック」という管理法なら、常に一定の食料を備蓄しておけるうえに、賞味期限切れも防げておすすめです。
飲料水・食料品備蓄の例
□ 飲料水1人1日3リットル(3日~2週間分)
□ 家族が好きなレトルト食品やインスタント食品
□ 水や火、電気が使えなくても食べられる食品
□ 栄養バランスを考えた野菜ジュースや缶詰
□ お菓子、好きな飲み物などの嗜好品
□ 離乳食、ミルクなど子ども用の食品やペットフード
◆備蓄品におすすめ「どこでもスイーツ缶」
日用品
簡易トイレや、食事の支度に使うカセットコンロとボンベなどの災害用の備蓄品のほか、生理用品、おむつ、マスクや消毒液などは多めにストックしておくと安心です。ペット用のトイレシーツや高齢者の常備薬など、家族構成に合わせて必要なものを考えておきましょう。
また、災害時にはオーラルケアがおろそかになりがちですが、健康被害を防ぐためにも必要です。水がなくても使えるグッズを常備しておくといいですね。
日用品備蓄の例
□ 簡易トイレとトイレットペーパー(人数分)
□ カセットコンロとボンベ
□ 紙皿や紙コップ、割りばしやラップ
□ 軍手、ゴミ袋、調理に使えるポリ袋
□ ウェットティッシュ、おしりふきなど
□ おむつ、生理用品、介護用品
□ マスクやアルコール消毒液、体温計などの感染対策グッズ
□ 歯磨きシートやタブレットなどのオーラルケア用品
□ コンタクトレンズや常備薬など、なくなると困るもの
□ ポータブルラジオと予備電池、携帯電話のバッテリーなど情報収集の手段
◆備蓄品におすすめ「もしもの時のさわやかトイレ」
避難する場合はどこへ?コロナ禍でも大丈夫?
コロナ禍の今でも、災害で身の危険を感じたらためらわずに避難することが大切です。
特に、小さな子どもや高齢者がいる場合は、早めの行動を心がけましょう。たとえ避難がむだ足になったとしても、「避難しなくて後悔するよりもマシ、何もなくてよかった」と思えることが重要です。避難する場合に必要なことをチェックしてみましょう。
□ 地域のハザードマップで、避難所を家族全員が確認する
□ 避難所まで実際に歩いて、ルートの途中にある危険な場所をチェックする
□ 定員オーバーで避難所に入れないことも考えて、3か所ほど候補を挙げておく
□ 通勤・通学中など、家にいない時の連絡方法や待ち合わせ方法を決めておく
□ 避難する時は自宅の電気のブレーカーを落とし、しっかりと戸締まりをする
□ 非常用持ち出し袋を家族の人数分用意する
避難所で新型コロナウイルスに感染する不安があるかもしれませんが、現在は避難所の衛生環境が改善されてきています。令和2年の熊本豪雨では、避難所内で感染対策が徹底された結果、クラスターの発生は報告されていません。また、内閣府・消防庁・厚生労働省が避難所のガイドラインを出して、各自治体でも対策しているところです。
避難所に持って行くものと過ごし方は?
非常用持ち出し袋をきちんと準備しているという人も、コロナ禍で必要になった物が不足しているかもしれませんので、この機会に見直してみてください。
1 非常用持ち出し袋の中身
非常用持ち出し袋には両手が空くリュックサックが望ましいですが、重いのであればキャリーケースなども便利です。乳幼児がいる場合は、ママバッグに防災グッズをプラスするといいでしょう。また、いつ災害が起きるかわかりませんので、いつもの通勤バッグにもゼリー飲料や携帯トイレなどの防災グッズを入れておくと安心です。
非常用持ち出し袋の中身の例
□ 飲料水、食べ慣れた食料(3日分)
□ 身分証、母子手帳、お薬手帳、現金
□ 携帯電話、モバイルバッテリーや変換コード、携帯ラジオや予備電池
□ 筆記具、ハザードマップ
□ 家族の写真(家族とはぐれた場合に捜しやすくするため)
□ 着替え、スリッパ、タオルなど
□ ティッシュ、ウェットティッシュ、トイレットペーパーなど
□ マスクやアルコール消毒液、体温計などの感染対策グッズ
□ 救急セット、歯ブラシやオーラルケアグッズ
□ ゴミ袋、ポリ袋、割りばし
□ 笛や防犯ブザー
□ おむつ、おしりふき、哺乳瓶や離乳食など子どもに必要な物
□ 生理用品、介護用品、常備薬など
□ お泊まりセットなどの基礎化粧品、制汗スプレー
□ 子どもの好きなおもちゃ、折り紙やお絵かきセットなど
□ 季節に合わせて防寒対策のカイロ、暑さ対策の冷却アイテムなど
避難所では、たくさんの知らない人と共同生活を送ることになります。お互いにプライバシーに配慮して、マナーとルールを守ることが必要です。また、新型コロナウイルス感染対策も重要です。次のようなことに配慮して、できるだけ快適に避難所生活を過ごしましょう。
2 避難所での過ごし方のポイント
避難所では、たくさんの知らない人と共同生活を送ることになります。お互いにプライバシーに配慮して、マナーとルールを守ることが必要です。また、新型コロナウイルス感染対策も重要です。次のようなことに配慮して、できるだけ快適に避難所生活を過ごしましょう。
□ 消毒、マスク、3密回避などの感染対策をきちんとし、大声での会話を控える
□ 定期的に体温を測り、体調不良の場合はすぐに知らせる
□ 子どもにアレルギーがある場合は洋服に「アレルギーがあります」というシールを貼る
□ 貴重品は持ち歩き、一人で行動しないなどの防犯対策をする
□ 自分が健康で余力があれば、避難所内での作業に積極的に協力する
□ 大人が力を合わせて子どもの心身のケアをする
□ マタニティマーク、ヘルプマークを身に付けている人がいれば手を貸す
車中泊やホテル・知人宅への分散避難という方法も
災害時には、在宅避難や避難所への避難のほかにも次のような避難方法があります。
1 短期間なら車中泊もおすすめ
自家用車があり、安全な場所で短期間なら車中泊もおすすめです。密を避けてプライバシーを保て、備蓄品も積み込めるので災害時も比較的過ごしやすくなります。
ただし、車中泊には「エコノミークラス症候群」になるというリスクがあります。「エコノミークラス症候群」は、長時間狭い場所で脚を動かさないと血の塊(血栓)が静脈にできてしまい、それが移動して肺の動脈を詰まらせるという病気で、死に至ることもあります。そのため、なるべく水平に横たわって脚を曲げずに寝ることや、かかとの上げ下げ運動をすること、こまめに水分補給することが必要です。
2 ホテルや知人宅への分散避難
3密回避のため、国はホテルや旅館などを利用した分散避難も呼びかけています。自治体によっては補助金が出ることもありますので、一度調べてみるといいかもしれません。その際にも、非常用持ち出し袋を持参するようにしましょう。
また、事前に相談して知人や親類宅に避難させてもらうことも考えてみましょう。
子どもと防災を考えるおすすめ本
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まとめ
コロナ禍での防災対策について、在宅避難の準備と避難所での過ごし方のポイントをご紹介しました。
防災対策は、家族の人数や普段の行動、住んでいる地域などによっても異なります。災害が起きたらどうなるのか具体的にイメージしてみて、自分たちに合った対策を考えておきましょう。家族全員で話し合い、連絡方法や待ち合わせ場所を記載したオリジナルの防災マニュアルを作ってみるのもおすすめです。
災害はいつどこで起きるかわかりません。非常事態でも落ち着いて行動するために、きちんと対策しておきたいですね。
なお、防災についてもっと知りたい人は、以下のサイトも参考にしてみてください。
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