2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で収入が減ってしまったために、パートをかけもちするWワークや、副業を始めたという人も多いかもしれません。
そして、これまでと働き方が変わった場合や収入の金額によっては、パートで働く主婦でも確定申告が必要になることがあるのです。
そこで、気になる「確定申告」について簡単にまとめてみました。
まだ間に合いますので、確定申告が必要かどうかわからないという人はぜひチェックしてみてください。
また、例年に比べて医療費が高かったという人は、確定申告をすればお得になることも!
「これって医療費に入るの?」と悩んでしまうケースについてもご紹介します。
そもそも、確定申告って何?
1年間の所得と所得税を決めるための手続きです
確定申告とは、簡単に言うと「この1年間で自分にはこれだけの所得がありました。そのため、これだけの所得税を払います」と確定するための手続きのことです。
毎年、1月1日から12月31日までの1年間に得たすべての所得の金額と、その所得に対する所得税の金額を自分で計算し、税務署に確定申告書を提出することになっています。
確定申告書を提出することで、所得税をきちんと納めたり、源泉徴収で先に引かれていた所得税のうち払い過ぎた分が返金されたりする精算の手続きが完了することになります。
令和2年分(2020年分)の申告期限は令和3年(2021年)2月16日(火)~4月15日(木)となっています。例年では3月15日までですが、新型コロナウイルスの拡大防止の観点により期限が1ヶ月延長されました。
確定申告が必要なのにしないと脱税になってしまいます!
確定申告が必要なのにしなかった場合は、所得税の規定違反として脱税したことになってしまいます。また、確定申告しなかった、あるいは期限を過ぎてから確定申告をした場合は、「期限後申告」として取り扱われます。
期限後申告になると、確定申告による所得税に加えて、「無申告加算税」や「延滞税」が追加される場合があります。
税金が追加されてしまうと損なので、必要な方は必ず期限内に確定申告しましょう!
Wワークやパラレルワークの人はこちらをチェック!
Wワークとパラレルワークの違いは?
「Wワーク」とは、1人で2つ以上のパートや派遣元をかけもちして働くことです。
また、近年注目されている「パラレルワーク」とは、本業を持ちながら第二の活動をすることです。パラレルワークは収入を得ることだけではなく、キャリアアップやスキルアップ、社会貢献などの本業では得られないことを目的とするのが特徴です。
Wワークの所得が103万円を超える人は、確定申告が必要です!
ここでは、2社以上からお給料をもらう働き方を「Wワーク」と呼び、そのほかの副業とは区別します。副業については後ほどご説明します。
「パラレルワーク」でも、2社以上からお給料をもらっている場合は「Wワーク」と同様です。Wワークの場合は、すべての所得を合わせて103万円を超えると所得税を支払わなくてはなりません。
なお、103万円というのは給与所得者の年収から控除される金額※で、控除されて残った金額に税金がかかる仕組みになっています。
※給与所得者控除(給与などの収入金額が162万5000円以下なら55万円控除)と基礎控除(合計所得が2400万円以下なら48万円控除)を合わせた控除の金額
所得税の計算となる年末調整をしてもらえるのはメインで働いている1社のみのため、自分で確定申告することが必要なのです。
また、2社以上からお給料をもらっていて、どの会社でも年末調整をしてもらっていない場合も確定申告が必要です。
Wワークの所得が103万円を超えないのに年末調整された人は、確定申告で返金を!
Wワークの所得が103万円以下だったのに、メインの1社で年末調整された場合は、
払わなくてもいい税金を払っていることになります。
税金を多く払い過ぎていても、税務署が知らせてくれることはありません。
自分でしっかりと確定申告して、返金してもらいましょう。
副業をしている人はこちらをチェック!
副業ってどんなものがあてはまるの?
本業以外の収入源を「副業」と呼び、一般的には以下のようなものがあてはまります。
- ネットオークションへの出品やネットショップ・フリーマーケットへの出店
- SNSや動画投稿サイトなどの広告収入
- クラウドソーシングによる記事・イラスト・Webデザインの作成など
- 株式の売買、配当金の受け取りなど
- アパートのオーナーになって得る不動産所得 など
副業で20万円以上の所得がある人は確定申告が必要です!
パートや派遣元が1社のみでも、そのほかに上記のような副業による「所得」が20万円以上ある人は、確定申告が必要です。
「所得」とは、収入から「必要経費」を差し引いた金額になります。
「必要経費」って具体的にどんなもの?
ネットでの副業専用としてパソコンやライトなどの周辺機器を購入した場合は、その代金は「必要経費」となります。
ネットオークションやフリーマーケットで収入を得る場合は、出品した商品を買った値段(仕入れ値)、出店料や送料、会場までの交通費なども「必要経費」として計上できます。
ただし、私的な支出など商売と関係のないものについては、必要経費にはなりませんので注意が必要です。
専業主婦でも、副業で38万円以上の所得がある人は確定申告が必要です!
お給料をもらわない専業主婦でも、自宅での内職や在宅ワーク・委託契約の仕事の報酬のほか、副業での所得が38万円以上ある場合は、確定申告が必要となります。
専業主婦の所得は「基礎控除38万円」なので、所得が38万円以下であればその所得には税金はかからず、確定申告は不要です。
パート先や派遣元が1社だけの人はこちらをチェック!
お給料をもらっている会社が1社だけの人は、確定申告は不要です!
パート先や派遣元(派遣登録している会社)が1社だけで、そこで年末調整をしてもらっている人は、確定申告は必要ありません。
ただし、パートの年末調整は行わないという会社もあります。会社から源泉徴収票をもらった場合は、自分で確定申告することが必要です。
知らないうちに税金を払い過ぎている人は、確定申告した方がお得です
年収が103万円以下(月額85,500円以下)なのに、毎月の給与から所得税が差し引かれている場合は、知らないうちに税金を払い過ぎていることになります。
確定申告で払い過ぎた税金を返してもらうことができますので、給与明細を確認してみましょう。
確定申告はどうやってするの?
確定申告書の大まかな手順は、次の通りです。
- 確定申告書を入手する
確定申告書は、税務署や関係機関に行けばもらえます。近くにない場合は、国税庁のウェブサイトからダウンロードして印刷するのがおすすめです。 - 確定申告書を記入する
確定申告書の記入方法については、国税庁サイトの確定申告書等作成コーナーで確認してみてください。画面の案内に沿って金額などを入力するだけで、申告書が作成できます。
参考)国税庁HP
確定申告書等作成コーナー
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei.htm - 必要書類を添えて提出する
確定申告書のほかに、次のような書類が必要です。
- 給与所得の源泉徴収票(原本)
- 所得控除・税額控除を受けるための添付資料(自分名義で支払っている各種保険料の控除証明書、医療費の領収書など)
- マイナンバーカード、または通知カードと本人確認書類(運転免許証、パスポート、公的医療保険の被保険者証など)
これらの書類を揃えて、期間中に税務署や確定申告会場に持参または郵送します。確定申告に慣れていない人は、会場に持参して書類を担当者に直接確認してもらった方が安心かもしれません。
また、e-Taxを利用したオンライン申請もおすすめです。オンライン申請を利用する場合は、マイナンバーカード、ICカードリーダライタやマイナンバーカードの読み取り対応スマートフォンが必要になりますので、事前に準備しておきましょう。
「医療費控除」ってどんな制度なの?
「医療費控除」とは、医療費の負担が大きかった場合に税金の負担を減らす制度です。
1年間で10万円以上の医療費を払った人が対象になり、確定申告をすれば医療費控除が受けられます。
コロナ対策の出費は医療費にあてはまる?
「医療費」には治療代や薬代のほか、医療機関への交通費も含まれます。領収書やレシートなどを忘れずにとっておくようにしましょう。
特に2020年は、コロナ対策で医療に関わる出費がかさんだご家庭も多いはず。どの料金が医療費にあてはまるのか、チェックしてみましょう。
あてはまるもの
- オンライン診療費用
- 自費でPCR検査を受けて、陽性だった場合の治療自己負担分
- 通院のための交通費(電車、バス、タクシー)
- 市販薬の購入代
- 治療のためのマッサージ施術代
あてはまらないもの
- マスク、消毒用アルコール(治療ではなく予防のためなので)
- 自費で受けたPCR検査費用
- 通院のための自家用車のガソリン代、駐車場代
- ビタミン剤など、治療目的ではないもの
- 体調を整えるためのマッサージ施術代
参考)国税庁HP
医療費控除の対象となる医療費
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1122.htm
新型コロナウイルス感染症に関連する税務上の取扱い関係https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/kansensho/faq/04.htm#q4-12
まとめ
「確定申告」について、簡単にご紹介しました。
コロナ禍でWワークを始めて、実は確定申告が必要だったという人は、まだ間に合うのできちんと確定申告をしましょう。
また、税金を払い過ぎていた人や、今年は医療費が10万円以上かかったという人は、確定申告で少しでも返金してもらいましょう。
ほかにも、ふるさと納税をしたけど「ワンストップ特例制度」を利用していない人、配偶者と離婚または死別した人などの場合、控除が漏れていることもあります。確定申告でお得になることもありますので、確認してみてはいかがでしょうか。
まだまだ先が見えない今、Wワークで収入源を増やしたり、パラレルワークでキャリアアップを目指したりする人が増えてきています。この機会に自分のキャリアを考え直してみるのもいいかもしれません。
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