認定こども園は、2006年から導入された施設です。
保育園とどう違うのか、どっちがいいのか、これから子どもを預けようという方は悩むところですよね。

今回は、認定こども園・保育園・幼稚園について、次のような内容をお伝えします。

  • それぞれの特徴や違い
  • メリット・デメリット
  • 入園までのスケジュール
  • 選び方の目安

認定こども園と保育園でどっちがいいのかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

認定こども園と保育園はどっちがいい?幼稚園との違いは

認定こども園と保育園、そして幼稚園にはどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの特徴や違いについて解説します。

◆認定こども園・保育園・幼稚園の違い

認定こども園認可保育園幼稚園
管轄文部科学省・
こども家庭庁
こども家庭庁文部科学省
対象年齢0歳~就学前0歳~就学前満3歳~就学前
目的保育・教育保育教育
保育時間の目安・1号認定:4時間
・2・3号認定:8~11時間
8~11時間4時間
保育を必要とする事由※2・1号認定:該当しない
・2・3号認定:該当する
該当する該当しない
給食の提供義務義務任意
職員保育士・幼稚園教諭保育士幼稚園教諭
利用料自治体が保護者の所得に応じて決定※1自治体が保護者の所得に応じて決定※1一律料金※1私立:園が設定公立:自治体が設定

※1 3~5歳児(4月1日時点)は無償(幼稚園は25,700円が上限)
※2 「保育を必要とする事由」とは、次の事項に当てはまる必要があります。

  • 就労(フルタイムのほか、【パートタイム、夜間、居宅内の労働など】)
  • 妊娠、出産
  • 保護者の疾病、障害
  • 同居又は長期入院等している親族の介護・看護
  • 災害復旧
  • 【求職活動(起業準備を含む)】
  • 【就学(職業訓練校等における職業訓練を含む)】
  • 【虐待やDVのおそれがあること】
  • 【育児休業取得中に、既に保育を利用している子どもがいて継続利用が必要であること】
  • その他、上記に類する状態として市町村が認める場合
出典:内閣府 よくわかる「子ども・子育て支援新制度」

認定こども園とは

認定こども園は、2006年から導入された施設です。
保育園に入れない待機児童が増える一方で、保育時間の少ない幼稚園を希望する人は減少傾向にあり、この状況を改善するために導入されたのが認定こども園です。

認定こども園とは

出典:内閣府 認定こども園概要

当初から認定こども園として新設される園もありますが、多くは既存の保育園や幼稚園が機能を加えてリニューアルした園です。

認定こども園には4種類ある

認定こども園には、次の4つの種類があります。

認定こども園には4種類ある

出典:内閣府 認定こども園4類型の比較

  1. 「幼保連携型」:幼稚園と保育園、2つの機能を備えた園
  2. 「幼稚園型」:幼稚園に保育園の機能を加えた園
  3. 「保育所型」:保育園に幼稚園の機能を加えた園
  4. 「地方裁量型」:都道府県の裁量により認定こども園と認められた認可外保育施設

認定こども園の中には、3号認定の受け入れがないなど、園によって追加する機能の規模の大きさは異なります。

「認定区分」によって料金や利用できる時間が違う

認定こども園の利用料や利用できる時間は、「認定区分」によって異なります。
「認定区分」とは、子どもの年齢と「保育を必要とする事由」に応じて、自治体が定めるものです。

3つの「認定区分」

1号認定保育を必要としない3歳以上の子ども
2号認定保育を必要とする3歳以上の子ども
3号認定保育を必要とする3歳未満の子ども

利用料はこの認定区分や保護者の所得に応じて、国が定める上限額の範囲内で、それぞれの自治体が定めます。

認定こども園で8時間以上の預かりなど、保育園の機能を利用したい場合は、自治体に申請して自治体に2・3号の認定してもらう必要があります。

料金の違い

認定こども園の料金は、上述したように認定区分や保護者の所得に応じて各自治体が定めます。

保育園の利用料は、住んでいる自治体、保護者の所得、きょうだいの人数などに応じて自治体が決定します。厚生労働省の調査によると、認可保育園を利用する児童1人当たりの保育料の平均は、2万円前後です。

認定こども園や保育園の料金は保護者の所得によって変動するのに対し、幼稚園の料金は、所得などに関係なく一律の料金となります。私立ではそれぞれの園が設定し、公立は自治体が定めます。

文部科学省の調査によると、幼稚園を利用する子ども1人当たりの費用は、公立で月に1万円程度、私立で月に2~3万円程度です。

参考:厚生労働省 平成27年地域児童福祉事業等調査結果の概況
参考:文部科学省 令和3年度 子供の学習費調査

教育・保育の無償化

2019年から「幼児教育・保育の無償化」が実施されました。基本的に認定こども園・保育園・幼稚園では、3歳以上であれば次のように保育料が無償になります。

◆認可保育園・幼稚園・認定こども園

3~5歳児クラス無償  ※幼稚園は月額25,700円まで無償
0~2歳児クラス住民税非課税世帯は無償

幼稚園の預かり保育料は、自治体から「保育の必要性」の認定がある場合のみ月額11,300円(日額450円)まで無償です。

◆認可外保育園

3~5歳児クラス月額37,000円までは無償
0~2歳児クラス住民税非課税世帯で月額42,000円までは無償

参考:内閣府 幼児教育・保育の無償化について

無償になるのは利用料・保育料のみで、給食費など保護者の負担になるものもあります。

◆無償の対象にならないもの

  • 入園料
  • 給食費※
  • 通園バスなど通園送迎費
  • 行事費
  • 教材費

※年収360万円未満相当世帯の子どもや、第3子以降の子どもは副食費が免除される

管轄・目的の違い

管轄する省庁や目的も異なります。

以前は認定こども園は内閣府の管轄でしたが、2023年4月から文部科学省とこども家庭庁による管轄に変わりました。目的は保育・教育をともに行う施設で、保育園と幼稚園のよい部分をあわせもっている点に特徴があります。

保育園は厚生労働省からこども家庭庁による管轄となりました。保護者が仕事や病気などの理由により面倒を見られない子どもを受け入れるための福祉施設です。
認可保育園は、自治体の認可を受け、国からの補助金で運営している保育園を指します。

保育園の目的は、健全な心身の発達を図ること。
保育園に入園するには、子どもの面倒を見られないという規定の要件を満たしている必要があります。

幼稚園は、小・中・高と同じく文部科学省の管轄で、義務教育や教育の基礎を培うことを目的とした教育施設です。小学校から始まる義務教育の基盤を築くための活動が盛り込まれています。

対象年齢の違い

保育園は0歳から入園できますが、園によって入園できる月齢が異なります。最も早いと生後57日(生後2か月)から受け入れが可能で、 園によって生後3か月や6か月からなどと設定されています。

幼稚園は、4歳になる年の4月から入園するケースが一般的ですが、満3歳になれば入園できます。
たとえば、9月に3歳の誕生日を迎えたら、翌年の4月まで待たなくても年度の途中から入園が可能です。

認定こども園には4つの種類があり、対象年齢も異なります。
3号認定児(保育を必要とする3歳未満の子ども)の受け入れをしている施設では、保育園と同様となります。
3号認定児の受け入れがなく、1・2号認定児のみの場合は、幼稚園と同じく3歳児からが対象です。

公立と私立の違い

認定こども園・保育園・幼稚園には、公立と私立があります。

公立は、国や自治体によって運営されているため、費用の負担が軽い傾向にあります。
私立は法人などが運営し、それぞれ園の特徴をいかしたカリキュラムや行事が導入されており、公立と比較すると費用は高めです。
英語学習やモンテッソリー教育、食育など独自に力を入れる私立幼稚園や認定こども園も多くあります。

保育料が無償化されましたが、私立の園では行事が多めだったり園バスがあったりする点を考慮すると、公立より負担が多くなる可能性があります。

どっちがいい?認定こども園・保育園・幼稚園のメリット・デメリット

認定こども園・保育園・幼稚園、それぞれのメリットやデメリットについて見てみましょう。

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認定こども園のメリット・デメリット

◆認定こども園のメリット

  • 働き方が変わっても転園の必要がない
  • 保護者の就労状況に関係なく通園できる
  • 保育・教育がともに受けられる
  • 家庭環境の異なる子どもが交流できる

入園後に仕事を辞めると、保育が必要な状態ではなくなるため、保育園であれば退園する必要があります。
認定こども園では、2号認定から1号認定に変更すれば、仕事を辞めても継続して通園できます。ただし、1号認定児に定員枠がある場合は、その範囲内となります。

1号認定で入園したあとに仕事を始める場合は、2号認定に変更するため支給認定申請書などの書類を自治体に提出する必要があります。

認定こども園では保育と教育の両方を受けられるので、保育園と違って幼児教育を受けられる点もメリットです。

◆認定こども園のデメリット

  • 施設数が少ない
  • お弁当が必要な曜日もある

認定こども園の数はまだ少なく、希望するエリアにない場合もあります。また、幼稚園の機能が加わったことで、週に1~2日ほどお弁当が必要だったり、平日に行事が組み込まれていたりする場合もあります。

単独の保育園より、保護者の負担が増える可能性がある点には注意が必要です。

保育園のメリット・デメリット

◆保育園のメリット

  • 保育時間が長い
  • 最短で生後57日から預けられる
  • 夏休みや春休みなどの長期休暇がない
  • 親が参加する行事が少ない

保育園は一般的に日曜・祝日と年末年始以外は開いていて、7~18時頃まで預けられ、お盆期間も子どもを見てもらえます。最短で生後2か月から預けられる園もあるので、産後すぐに仕事復帰したい場合には心強い味方です。

親が参加する行事が幼稚園より少ない点も、働く保護者にとっては負担が少ないでしょう。

◆保育園のデメリット

  • 競争率が高い
  • 幼稚園よりも通園の荷物が多い

競争率が高く希望の保育園に入れない場合もあり、きょうだいで別々の園になってしまうこともあります。
1日中、園で過ごすため、特に週明けは荷物が多く準備も大変です。

幼稚園のメリット・デメリット

◆幼稚園のメリット

  • ひらがなや漢字、英語などの教育が充実
  • 園によってさまざまな特色がある
  • 預かり保育を利用すれば17~18時頃まで預かってもらえる

ひらがなや漢字、英語などの学習に力を入れている園もあれば、食育や運動、音楽などに熱心な園もあり、園によってさまざまな特色があります。家庭の教育方針に合った園を選べるのは、メリットのひとつです。

一般的に保育時間は9~14時頃までですが、有料の預かり保育を利用すれば17~18時頃まで預かってもらえます。夏休みなどの長期休暇中も、預かり保育を実施している園が多くあります。

◆幼稚園のデメリット

  • 保育時間が短い
  • 保護者が参加する行事が多い
  • お弁当が必要な曜日もある

1日4~5時間の預かりなので、フルタイムで仕事している場合は有料の預かり保育が必要になります。
幼稚園は、親子遠足や夏祭りなど保護者が参加する行事が多い傾向にあるので、予定をあけておく必要があるでしょう。

一般的に私立幼稚園では、お弁当が必要な曜日があります。行事が多めである分、保護者の負担も増えます。

認定こども園・保育園・幼稚園の入園スケジュール

認定こども園・保育園・幼稚園の入園までの流れを紹介します。

記載したスケジュールは、4月入園の場合の大まかな目安です。実際のスケジュールは、各園やお住まいの自治体公式サイトを確認してください。

認定こども園の場合

認定こども園は、認定区分によってスケジュールが異なります。
4月入園の場合です。

◆1号認定

6~9月説明会
9~10月教育・保育給付認定申請書(1号認定)・願書配布
10~11月願書提出、面接・抽選後内定の連絡、入園手続き
12~2月入園説明会、制服・教材の引き渡し
2~3月体験入園
4月入園

◆2号・3号認定

6月~説明会
8~10月入園申込書の配布
9~11月入園申込書、教育・保育給付認定申請書(2・3号認定)などの提出
10~1月第1希望の園で面接、審査・選考
3月入園承諾書・支給認定証の通知、入園説明会、健康診断
4月入園

保育園の場合

4月入園の詳細な予定は、10~11月頃に明らかになります。

複数の園を希望している場合は、それまでに情報収集や園の見学などをして、希望する園を絞り込んでおきましょう。

4~6月情報収集、自治体への相談
6~9月見学、希望園の決定
10月~入園申込書の配布
11~12月入園申込書・就労証明書など必要書類の提出
1~2月源泉徴収票など税金関係の書類の提出、審査・選考
2月末~3月入園内定
3月面接、健康診断、入園・保育料確定
4月入園

幼稚園の場合

多くの幼稚園では、入園前に実際の幼稚園の生活を体験できるプレ幼稚園(プレ保育)を実施しています。
申込時期は園によって異なるので、幼稚園の公式サイトなどでチェックしましょう。

~5月プレ幼稚園の募集・申込
4~9月随時見学、プレ幼稚園参加
9~10月願書配布
10~11月願書提出、面接、合否連絡
11~3月入園説明会、制服・教材引き渡し
4月入園

入園の選考方法は、願書提出の先着順や抽選など、園によって異なります。願書の配布を定員数に限る園もあるので、事前に確認しておきましょう。

認定こども園・保育園・幼稚園の選び方

認定こども園・保育園はどっちがいいのか、選択が難しいところです。幼稚園も含めた選び方の目安について紹介します。

現在の就労状況や今後の予定

まず、現在の就労状況や、今後の予定、家庭の方針を考慮しましょう。

状況選択肢
フルタイム勤務「幼保連携型」「保育園型」認定こども園保育園
短時間勤務・専業主婦「幼稚園型」認定こども園幼稚園
今後仕事をする予定がある「幼稚園型」「幼保連携型」認定こども園
保育だけでなく教育も希望する「幼稚園型」認定こども園幼稚園

園までの距離

職場から近い園より、自宅から近い園を選んだほうが、職場を変えたときに不都合が少ないのでおすすめです。

雨や体調不良のときも、自宅近くのほうが親子ともに負担が少ないでしょう。

園の規模

園児数が多い園、少ない園と、規模の大きさも園によってさまざまです。

園児数の多い園は、行事の規模も大きく活気があります。少人数の園は、友人との結束を固めやすく、先生のフォローも受けやすいといったメリットがあります。

大人数の園で多くの友人と関わりを持たせたい、または少人数の園で先生の目の届く範囲で絆を深めてもらいたいなど、保護者の考えに合わせて選ぶのがよいでしょう。

認定こども園・保育園・幼稚園の選択で失敗しないために

園選びで失敗しないために、生の情報を取り入れて選びましょう。

実際に通園している保護者からの話を聞く

近くに希望の園を利用している人がいたら、話を聞いてみるのもおすすめです。

どのような先生がいるのか、どのような行事があるのか、など実際に利用している人からでなければわからない情報もあります。具体的な園の雰囲気や、園独自のルールなどを聞けるといいですね。

複数の園を見学する

ひとつの園に決めずに複数の園を見学してみると、いろいろな違いが見えます。施設の状態や園舎・園庭の広さなど、実際に見学して確認しておきましょう。

まとめ:認定こども園と保育園はどっちがいい?

早めに情報収集を始めて実際に見学し、秋までに第1~第3希望の園を決められるのが理想的ですが、認定こども園か、保育園か、幼稚園か、さらには公立か私立か。選択肢が多く悩んでしまいますね。

ライフスタイルは人それぞれ異なるので、現在そして今後の就労状況や自宅からの距離、園の規模・雰囲気などを考慮して家族で納得のいく園を見つけましょう。

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