スタートアップ企業やベンチャー企業は、創業間もない段階で社長1人や小人数で会社を運営しているケースがほとんどです。事業が軌道に乗り、取引量が増えるにつれ、人材募集を検討する段階に入ります。
しかし、知名度が低くどんな企業かわからないこともあり、募集をかけても思うように応募者が現れないのが実情です。
どうすれば求める人材を獲得できるのか、スタートアップ・ベンチャー企業だからこそできる採用戦略について見ていきましょう。

1.スタートアップ・ベンチャー企業の採用課題

スタートアップ・ベンチャー企業の採用課題として、まず挙げられるのが人事に関する専任がおらず業務を兼任されている会社が多いと思います。
しかし採用のスケジュール管理や問合せ対応等自社で行う事は多義にわたり、レスポンスを求められる採用期間中は少なくとも社内体制を調整する必要があります。
このような会社・事業を支えるためにも、即戦力となる人材が求められます。

また、ベンチャー企業は規模が小さく社長の考えに賛同する人が集まってしまいがちな傾向があります。そのため、社長の考えと異なる意見があると、会社の輪の中から外れてしまうという人間関係の面での問題も抱えています。

実力はあるけれど、社長に認められないがために出世できないという事態が起こってしまうケースも少なく、これによって優秀な人材離れが問題となっている企業も少なくありません。そのため、企業内で評価制度を明確に決めたうえで、適材適所な人材配置を行うことも必要となります。

2.事業課題・組織課題を整理する

本当に欲しい人材を採用するには、自社の「事業課題」や「組織課題」を整理することも大切です。
現状を理解し、課題解決のために必要な人材や弱い部分をカバーしてくれる人材、これからの成長をサポートしてくれる人材などを求めていくことが必要となります。
しかし、大手企業やある程度安定した中小企業などに勤めていた方は転職を躊躇するケースも少なくありません。

スタートアップ・ベンチャー企業は、財務上赤字であったとしても、業種やビジネスモデルによって必ずしも悪いわけではないものの、今後どういう成長が見込まれるか、課題に対してどういう取り組みがあるのか等、適切なアウトプットを行うことで求職者の信頼・安心・期待を得ることができます。創業年数や利用者数、事例、売上など具体的な実績を示せると更に良いでしょう。

また選考を通じて入社後にどのような形で貢献できそうかを、双方ですり合わせすることも大切です。

3.ベンチャー・スタートアップ企業ならではの採用ブランディング

自社の理念や方向性が明確でなければ、求職者からどんな企業なのかが判断できず、応募したいとは思えません。そのため入社してみたい、働いてみたいと思わせるブランド化が必要です。

採用後、社風が合わない、方向性が違ったなどとすぐに離職されては困ります。
自社の理念や方向性を明確にするためにも、採用ブランディングを図りましょう。

ブランディングのポイントとして、大手企業や競合他社とのサービスの差別化、また自社にしかない強みや魅力としての「バリュープロポジション」をしっかりと伝えましょう。
バリュープロポジションを明確にすることで、これから成長していくために、どのような人材が必要かも具体化できます。

また社員が語る会社のビジョンやビジネスモデルの面白さが充分に伝われば、応募者に興味を持ってもらうことができ、採用成功率も上がります。

そのために、専用の採用ページを作ることや公式SNSや動画などで積極的に情報発信を行っていきましょう。
オウンドメディアやSNSの活用なら低コストなうえ、継続的にアプローチが可能です。
話題性を集めることやメディアなどから取材を受ければ、ブランディング効果も知名度も高まり、応募者が増える可能性があります。

4.「採用したい人材像」を見据えた求人作成のポイント

現状の事業課題・採用ブランディングを明確にしたうえで、求人を作成する際に注意したいポイントについて解説していきます。

自社にマッチしたスキルや人材像をイメージをする

大手企業のように数百人~数千人の新卒を募集して、幅広いタイプの人材がいたほうが組織が回りやすいという段階ではないことを理解しましょう。
まずは「成長」という目標を掲げ、同じ方向を向きながらも、自分の判断や能力で業務を推進してくれるような人材が必要になります。
そのため、大企業や老舗企業とは異なるスキルや傾向を持つ人材が活躍できる場でもあるのです。採用人数も限られるので、採用したい人材像を明確にし、ミスマッチのない採用が求められます。
せっかく労力をかけて採用したのに、すぐに離職されることや使えない人材だったと反省することがないよう注意しましょう。

具体的にどのような人材を求めるのか、ターゲット選定を行う

採用ページを作成するにあたり、押さえておきたい採用戦略のポイントは、どのような人材が必要なのか、といったターゲット選定です。その際に募集背景も重要なポイントとなります。

例えば、「人手が足りないので未経験者歓迎!などと書いては、誰でも良いのかと思われてしまいます。
したがって、このような場合は「事業拡大につき、〇〇の分野で活躍してくれる××のような方を募集しています。」と記載することで、どういった背景で募集をしていて、どのような人材が求められているのかと理解し易いです。
自分のスキルや経験とはマッチしていないと思えば応募を避けますし、条件がマッチしている人にとっては、求められている人材だと応募意欲が高まります

求職者が安心して応募できるような内容に

ここで気を付けたいのは、不安要素を極力取り除くことです。
なぜなら、求職者は1つでも「どうしてだろう?」と不安を覚えると、応募を躊躇してしまいます。今後長く働くことを前提に入社するわけですから、不安がある企業では働きたいとは思えません。
こうした不安を、将来像のイメージが膨らむような内容をしっかりと書くことで緩和することができます。将来、どのような関わり方や働き方ができるのか、責任のある仕事ができるか、収入面はどうか、スキルアップができるか、などです。
これら将来に関わる情報は、これから働いていくうえで重要な要素になります。
なお、採用戦略の観点からは、将来に関わる情報も設定したターゲットによって調整しましょう。
例えば、ターゲットが収入に期待する人材の想定なら、将来の昇給についてしっかりと書く、スキルアップを期待するターゲットなら、どのようなスキルを身につけられるかを詳細に記す、などです。

5.副業としての参画や時短人材などの採用の幅を広げる

いかにブランディングや採用したい人材像を見据えた求人を掲載しても、求める人材がなかなか現れない場合や面接まで進んでも、最終的に内定を辞退される可能性があります。

以前から比べての収入減少、会社の安定性や職場の雰囲気や仕事のやり方などに不安を持つ人も多いので、最初から正社員で働いてもらうのではなく、副業や派遣、時短勤務などをしてもらう方法もおすすめです。

在宅ワークやフリーランス人材の活をすることにより、人材不足の課題解決が可能です。
子育てや家族の介護など、家庭の事情や起業準備などの理由で時短勤務、週3日から勤務を希望する方の中にも、時短エンジニアなどスキルが高い人も多く存在しています。
優秀な人材には、副業としての参画を依頼するなどすれば即戦力となり、かつ将来的なポジション変更も柔軟に起用することが可能になります。

時短エンジニアとは、どういう経歴を持っているのか?】
   活用ポイントについてはこちら

6.はたかなについて

特にスタートアップ・ベンチャー企業においては、ブランディングまで時間をかけられないという実情を踏まえ、自社の理念に合った人材会社を活用する事もオススメです。

はたかなでは、特に柔軟な働き方を希望するフリーランス・時短・パートの求職者のご紹介が可能です。
もしも貴社で柔軟な働き方にご理解がありましたら、はたかなへお気軽にご相談ください。