介護と仕事の両立には制度やサービスの活用が必須です。一人で抱え込まずに制度・サービスを利用することで負担が軽減され、心にゆとりを持つこともできます。
この記事では介護と仕事の両立に活用できる、介護保険サービスやその他の制度についてわかりやすく解説しています。
制度・サービスを知って上手に取り入れていきましょう。
介護保険サービスとは?
介護保険サービスとは要支援・要介護認定された65歳以上の高齢者が受けられる介護保険適用のサービスです。
自宅で受ける居宅サービスや通所する施設サービスなどがあり、1~3割の自己負担で受けられます。
なお、特定疾患などの要件を満たしている場合は40~65歳でも受けることが可能です。
介護保険サービスを利用するメリット
仕事と介護の両立で介護保険サービスを利用するメリットは以下のとおりです。
- 介護の負担を軽減できる
- 費用面の負担が軽い
- 介護の相談ができる
まずはヘルパーに来てもらったり通所施設で過ごしてもらったりすることで、家族介護の時間を減らし負担を軽減できます。
また仕事と介護を両立させるのは体力的にもつらいことなので、介護保険サービスの利用で少しでも休める時間を確保できるのは重要です。
介護保険サービスは介護保険料を財源とし、利用者の負担は利用料の1割(所得によっては2~3割)なので費用面での負担を軽くできます。
介護休業や時短勤務で収入が減ってしまう人も多いため、費用を抑えられるのは大きなメリットといえるでしょう。
一人で介護を抱え込んでしまうと、誰にも相談できずに悩んでしまうことがあります。
介護保険サービスを利用することでケアマネージャーや施設の職員に家族の状況や介護について相談ができるようになると、精神的にも楽になるでしょう。
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介護保険サービスの一覧
主な介護保険サービスを一覧で紹介します。
居宅サービス
居宅サービスは在宅で受けられるサービスです。
サービスの種類 | 内容 |
---|---|
訪問介護 | ホームヘルパーが自宅を訪問し食事や排泄などの身体介護、掃除や洗濯などの生活援助を行う |
訪問入浴介護 | 介護職員と看護職員が自宅に移動式浴槽を持参して入浴介護を行う |
訪問リハビリテーション | 理学療法士などが自宅を訪問しリハビリテーションの指導などを行う |
夜間対応型訪問介護 | 夜間帯にホームヘルパーが自宅を訪問する |
通所介護 | デイサービスで食事や入浴などの介護、機能訓練などを行う |
通所リハビリテーション | 介護保険施設や病院などで日常支援や機能訓練を日帰りで行う |
短期入所生活介護 | 介護老人福祉施設などに短期入所し、食事や入浴等の生活支援を行う |
介護施設サービス
介護施設サービスは施設に入所して受けられるサービスです。
サービスの種類 | 内容 |
---|---|
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 常に介護が必要な利用者を受け入れ、食事や入浴、レクレーションなどを提供する |
介護老人保健施設 | 利用者を一定期間受け入れ、リハビリテーションや医療、介護を提供する |
介護医療院 | 長期間療養が必要な利用者を受け入れ、看護、介護、機能訓練などを提供する |
特定施設入居者生活介護 | 介護付き有料老人ホームなどが、食事や入浴、機能訓練などを提供する |
地域密着サービス
地域密着サービスとは、要支援・介護状態になっても住み慣れた地域で生活することを目的とするサービスです。
訪問サービスや通所サービス、特定施設等で市町村から指定を受けた事業所が提供し、住民票のある市町村でのみ受けることができます。
介護保険サービスを利用する方法
介護保険サービスの利用までの流れは以下のとおりです。
- 要介護認定の申請
- 認定調査
- 審査判定
- 認定
- 介護サービス計画書の作成
- 利用開始
要介護認定の申請
介護保険サービスを受けるには要介護認定が必要となり、要支援・要介護の段階によって受けられるサービスが異なります。
要介護認定の申請は市区町村の窓口で行います。
認定調査・審査判定
申請後には市区町村職員が訪問して聞き取り調査を行い、主治医の意見書とあわせて審査判定を行います。
審査判定は聞き取り調査と主治医の意見書を元にコンピューターが行う一次判定と介護認定審査会による二次判定を経て市町村職員が決定します。
調査から認定まではおよそ1ヶ月かかります。
介護サービス計画書の作成
要支援認定の場合は地域包括支援センター、要介護認定の場合は居宅介護支援事業者(ケアプラン支援事業者)に依頼して介護計画サービス計画書を作成してもらいます。
計画書作成の際には本人や家族の希望を伝えるようにしましょう。
利用開始
作成された介護サービス計画書を元にサービスの利用を開始します。
なお、利用の流れについては市区町村によって異なる場合があります。
その他の活用したい制度・サービス
介護保険サービス以外でも仕事と介護の両立に活用できる制度を紹介します。
各制度の条件については会社の規定などもご確認ください。
介護休暇
介護休暇は2週間以上の介護を必要とする家族がいる場合に短期間の休暇を取得できる制度です。
介護休業
介護休業は2週間以上の介護を必要とする家族がいる場合にまとまった休暇を取得できる制度です。
短時間勤務
短時間勤務は2週間以上の介護を必要とする家族がいる場合に労働時間の短縮等ができる制度です。
まとめ
介護保険サービスや介護休暇・休業などを活用できると両立がしやすくなります。介護は長期間にわたるケースも多いため、無理をしてつらくなる前に早めに対策をしておくことが重要です。
今回紹介した制度・サービスの利用も検討してみてはいかがでしょうか?
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