小1の壁を乗り越えて、学童保育を利用しながら働くママたちが次にぶつかるのが「小4の壁」です。

小4の壁は放課後を過ごす場所の問題だけではなく、思春期に差し掛かりゆれ動く子どもたちの心の問題もあります。
小4の壁を理由に退職を選択するママもいると聞き、不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は小4の壁について、よくある問題や乗り越え方を解説します。

小4の壁とは?

小4の壁とは小学4年生、つまり9~10歳の子どもたちが直面しやすい勉強や人間関係でのつまずきや、働くママが抱える問題のこと。
小4の壁では子ども側、親側それぞれに以下のような問題が起こります。

子どもの問題親の問題
・人間関係が複雑になる
・勉強が難しくなる
・放課後を一人で過ごすことになる
・学童が利用できなくなる
・子どもが反抗的になる

さまざまな要因が複雑にからみあう小4の壁ですが、大きく放課後の問題、心の問題、勉強の問題の3つに分けられます。

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

学童が利用できなくなる

学童は放課後子どもたちが宿題をしたり遊んだりして、保護者が迎えに来るまでの時間を過ごす場所です。
両親が働いている場合、小学校入学と同時に学童に通うケースが多いのですが、多くの学童は小学4年生までしか利用できません

そうなってくると出てくるのが放課後の過ごし方の問題です。

具体的には以下のような問題が現れてくると考えられます。

学童がなくなって起こる問題
  • 家に引きこもってしまう
  • 宿題をしなくなる
  • 事件や事故に巻き込まれる
  • 友達とのトラブル

インターネットやゲームが身近にある現代の子どもたちは、外で遊ばなくなってきていると言われています。
学童がなくなった途端、家でスマホやゲームばかりをして過ごすようになるかもしれません。

また学童では宿題をしてから遊ぶルールがあったり、指導員が宿題を見てくれるところが多いです。言ってしまえば宿題をしなければいけない環境にあったわけですが、学童がなければ自主的に宿題をしなければいけません。

大人でも嫌なことは後回しにしがちなので、子どもが自分から宿題をするというのはかなりハードルが高いことです。帰ったら遊びを優先してしまい、宿題をやらなくなってしまうことも心配されます。

学童のように大人の目が届く安全な環境がなくなってしまうと、事件や事故に巻き込まれることへの心配や、人間関係のトラブルが発生しやすくなる問題もあります。

後述するギャングエイジにもつながりますが、小学4年生は人間関係が複雑になってくる時期です。
いじめや金銭のやりとりなどのトラブルが発生しても、大人に言えず抱え込んでしまうケースが少なくありません。

ギャングエイジが始まる

ギャングエイジとは児童心理学で用いられる用語で、文部科学省の子どもの発達段階についての記述でも登場しています。

集団の規則を理解して、集団活動に 主体的に関与したり、遊びなどでは自分たちで決まりを作り、ルールを守るようになる 一方、ギャングエイジとも言われるこの時期は、閉鎖的な子どもの仲間集団 が発生し、付和雷同的な行動が見られる。

引用:3.子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題:文部科学省

親や家族が中心だった子どもの世界ですが、小学校高学年になると友達が中心になってきます。

友達関係もみんなと仲良く遊ぶ時期から、特定の友達と小さい集団を作るようになり、このような子どもたちをギャングエイジと呼びます。

ギャングエイジ自体は発達的に自然なことではありますが、小さい集団の中でいじめなどのトラブルが発生しやすいという問題があります。
ギャングエイジの小学4年生前後は中間反抗期と呼ばれる時期にもあたり、大人に対して反抗的な態度をとってしまいがちです。

友達関係も親子関係も悪くなってしまった子どもはふさぎこみ、不登校や問題行動につながってしまう可能性もあります。

勉強についていけなくなる

小学4年生は勉強についていけなくなる子どもが増えてくる時期でもあります。

この時期の勉強では、抽象的な概念や読解力が必要な内容が増えてくるため、問題の理解ができない子どもが出てきます。
また低学年での積み重ねの差が出てくる時期でもあり、学力の差が大きくなってくると劣等感を感じてしまうケースも多いです。

小4の壁  | ママたちの反応

小4の壁に対するSNS上でのママたちの反応は以下のとおりです。

小4の壁の対するSNSの声
  • 保育園の壁、小1の壁、小4の壁って子育ての壁が多すぎる。
  • 小1の壁より小4の壁の方が高かった…
  • まだまだサポートが必要だけど、反抗期に入るのでこちらも冷静になれない。
  • 平日はいいけど長期休暇が不安。

これから小4の壁にぶつかる人、実際に体験した人、さまざまな人の声がありました。

多くは不安や心配の声でしたが、中には「意外となんとかなった」というような投稿もありました。

小4の壁を乗り越える方法

小4の壁を乗り越える方法を紹介します。

放課後の過ごし方を決める

放課後の過ごし方について親子で話し合っておきましょう。

塾や習い事を活用する手もありますし、習い事がない日でも「宿題をしてから遊ぶ」「18時には帰る(親に連絡をする)」などルールを決めるのがおすすめです。
ここで重要なのが、親が勝手に決めてしまわないことです。親に対して反抗的になる時期なので、一方的なルール作りは反発を招いてしまう可能性が高くなります。

子どもの意見を聞きながら、お互いが納得できる過ごし方を決めるようにしましょう。

適度な距離を保ちつつ精神的な支えになる

少しずつ自立に向かっていく子どもたちを見守りつつ、何かあったときは「あなたの味方」であるというスタンスを心がけましょう。

ギャングエイジの子どもたちは友達との関係を重視するようになりますが、いざというとき頼りにするのは家族である場合が多いです。

ゆれ動く心に葛藤する子どもに対して、接し方がわからないママも多いかもしれません。
反抗的な子どもの態度についつい感情的になってしまいますが、大人が感情的になってもあまりいいことはありません。

ぶつかりすぎない距離感で、信頼関係を維持できることが重要です。

勉強のサポートをする

この時期に勉強についていけなくなると、その後もどんどん遅れていく可能性が高いです。親もできる限り勉強のサポートをするのが望ましいでしょう。
宿題を見てあげたり、教えてあげたりすると親子のコミュニケーションにもなります。
ただし、できない子どもにイライラしたり上から目線で教えてあげるような態度は避けましょう。

また時間がない、教える自信がないなどの場合は無理をする必要はありません。塾に通わせる方が効果的なケースも多いので家庭の事情で決めてください。

重要なのは、親が子どもの勉強を気にかけてあげることです。学校や塾に任せきりにせずに、子どもと先生に話を聞くなどしてサポートできるようにしましょう。

働き方を見直す

小4の壁があっても今まで通り働き続けることは可能です。今の仕事にやりがいを感じているのであれば諦める必要はないでしょう。

しかし、小4の壁をきっかけに子どもとじっくり向き合う時間を確保したいと思うのであれば、働き方を見直すのもおすすめです。

具体的には次の章で解説します。

小4の壁は働き方を見直すきっかけにも

退職や転職をする

放課後子どもを一人にするのは心配、という場合には退職をして専業主婦になったり時間の都合がつきやすい仕事に転職する方法があります。

転職では、正社員ではなくパートにしたり、家から近い職場を選んだりすると時間的に余裕が生まれます。
最近はフルリモートの仕事が増えてきているため、そういった仕事を選ぶのもいいかもしれません。
在宅でできる仕事にはWebエンジニア系が多く、最初は知識とスキルを身につけるために勉強が必要ですが、働きやすい環境の仕事が多いためおすすめです。

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時短・在宅ワークに変更する

今の仕事を続けたい場合、時短勤務や在宅ワークに変更できないか職場に確認してみましょう。
多くの会社では、子どもが3歳になる日までしか時短勤務ができませんが(3歳以降については会社の努力義務としているため)一度相談してみてもいいかもしれません。

在宅ワークが可能な職種であれば、在宅ワークの日を作ってもらうことで時間の余裕が生まれ、子どもとの時間を作りやすくなります。
もちろん会社の制度としてなかったり、在宅ワークができない職種だったりと事情があって難しいケースもあると思いますが、声を上げることで配慮してもらえる可能性もあります。

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パートナーに協力してもらう

日本ではまだまだ母親が育児の中心的な役割を担う家庭が多いですが、本来であれば育児は両親とも平等に責任を持ちます。

共働きだとすれば、働き方を変えるのは父親でもいいのです。退職や転職は現実的には難しいかもしれませんが、たとえば残業を減らすことならできるかもしれませんね。
ほかにも、父親が勉強を見たり、男児であれば父親の方が話しやすいこともあるので話相手になってもいいでしょう。

パートナーに協力してもらえると、時間にゆとりが持てるだけではなく精神的にも楽になり、大変な小4の壁も乗り越えやすくなります。

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まとめ

小4の壁は9~10歳の頃に起きる問題で具体的には、学童が利用できなくなったり、子どもだけの小さな集団で行動するようになったり、勉強についていけなくなるということが起こります。

働くママは子どもの放課後の過ごし方、過ごす場所をどうするか、という大きな問題に直面します。日ごろからコミュニケーションを大切にして、学童が利用できなくなる前から過ごし方について話し合うと小4の壁も乗り越えやすくなるでしょう。

中間反抗期とも重なるこの時期の子どもですが、やはりまだまだ親のサポートが必要な場面が多いです。とはいえ、難しい年頃の子どもと向き合うのはママ自身の心と時間に余裕がないと難しいのも事実です。
子どもとしっかり向き合うには、ママが一人で問題を抱え込むのではなく、パートナーや職場に協力してもらう必要があります。
思い切って在宅ワークができる会社に転職するという方法もあるでしょう。

小4の壁と聞くと、不安などのマイナスなイメージが強いですが、実は改めて子どもと向き合うきっかけにもなり得ます。

この記事が小4の壁を乗り越える参考になれば幸いです。

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